本当は怖いホームカラーのお話

カラー

 

横須賀のくせ毛ショート~ボブ・縮毛矯正・メンズが得意な美容師

aseiです^^

 

美容師目線で見たホームカラーの実態について少しお話しします

 

1. ホームカラーって傷むの?

 

正解は、、、

 

はい、みます

 

正確には、髪の毛が全く傷まない(悪影響の無い)カラーは無いかもしれません

(ヘアマニキュアやヘナなどの非アルカリカラーも髪の毛への影響はゼロではありません)

 

2. カラーリングを大別すると

 

・アルカリカラー(一般的なカラー剤)

・酸性カラー(ヘアマニキュアなど)

・天然カラー(ヘナなど)

 

に分けられると思います

 

今回は、施術されている人の多いアルカリカラーから説明していきます

 

まず、髪の毛はキューティクルという簡単にいうと髪の毛の鎧であり防御層のようなものがあります

 

その防御層を突破して毛髪内部を染めるためには、アルカリの力が必要です

 

しかし、同時に防御層を緩めてしまうことで内部の栄養素も流出してしまい、結果的にダメージをしてしまいます

 

それはサロンで染めても、ご自宅でホームカラーを使用しても同じことです

 

お客様
お客様

そしたらホームカラーでも良いんじゃ無いの?

 

では、なぜホームカラーをしない方がいいと言われるのでしょうか?

 

皆様も一度は、担当美容師や周囲の方から言われた経験はあるのでは無いでしょうか?

 

3. ホームカラーとサロンカラーの違い

 

asei
asei

ホームカラー便利ですよね、わかります

 

急遽予定が入ってしまったり、無性に今すぐ染めたくなったりした時には救世主のような存在だと思います

 

ただ、やはり美容師目線で見るとあまり良く無いんですよね、、、

 

正直、昨今の市販のカラー剤は昔と比べてサロンで使用している物と遜色ない発色をする物もあるようですが、問題はその薬剤を扱う知識と技術です

 

 

原因その1薬剤の塗り分けが難しい
アルカリを使用したカラー剤は日本の法律で決まっている、6%以下の過酸化水素水を混ぜて作ります
簡単に説明すると、アルカリと染料を含んだ第一剤と過酸化水素水の第二剤を混ぜることで化学反応が起きて髪の毛は染まります
そこで大切なのが、一剤の明度と色、二剤の濃度
実際に髪の毛を染める際には、現在の状態(カラー履歴やダメージ)を見極め、希望の色にするにはどの薬剤をチョイスしたら良いのかを考える必要があります
また、新生部(新しく生えてきた部分、プリンのカラメル部分)と既染部(一度以上カラー履歴のある部分)に対しての薬剤の使い分けがとても重要になります
お客様
お客様

なんか難しい話になってきた、、、

基本的に市販のカラー剤は新生毛を染めるように作られているものが多く、さらにはどんな髪質の人でも簡単にしっかりと染まらないと商品としてクレームに繋がるのでフルパワーに設定されているものが多いため、既染部にそのままついてしまうと思わぬダメージに繋がってしまいます
特に流行りの泡カラーやムースカラーと呼ばれるものは要注意
お客様
お客様

えー!もみ込むだけで良いから楽なのに

泡のような形状の薬剤はバージンヘア(毛先まで一度もカラー履歴の無い髪の毛)の場合は根元に溜まることさえ注意すれば、簡単にある程度は均一に染め上げることができると思います
ただ、繰り返しカラーをしていて新生部と既染部がある、いわゆるプリンの状態の方は要注意
泡タイプは塗り分けをすることが非常に難しく、フルパワーの薬剤を毛先まで揉みこんでしまった場合、不要かつ深刻なダメージを毛先に与えてしまいます
asei
asei

それに、泡カラーはクリームタイプの薬剤に比べ毛髪の体力を奪いやすい気がする、、、

バージンヘアの方以外は、簡単に染められるからと泡やムースタイプを選ぶのは避けた方が無難かも

一応、塗り分けなどの技術的な部分で言えば、僕がお客様の髪の毛を診断して数ある市販のカラー剤を選定し、正しい手順で塗布をして発色を見ながら染まり具合を確認して適切なプロセスで仕上げるなら、ホームカラーでもそれなりの仕上がりになると思います

 

でもそれは、あくまでムラなく綺麗に染められるということ

 

ダメージに関しては、ホームカラーの性質上どうしてもサロンカラーに比べると大きく出てしまいます

 

原因その2ホームカラーが密室(洗面所、浴室等)で使用することを想定して作られているから。

 

お客様
お客様

私は服や周囲が汚れないようにお風呂で染めてます

 

サロンカラーをされた事のある方はご存知かと思いますが、カラーリングをする際にツンとした臭いを感じた事はありませんか?

 

特にハイトーンカラーや薬剤によっては、涙が出たり咽せてしまうほど強い臭いを感じるものもあります

 

あの匂いの正体はアンモニア

 

一般的なカラー剤のほとんどに使用されているアルカリ性の物質です

 

サロンのカラーの場合、広い空間で使用することを想定して作られているので、揮発性のアルカリ(空気中にアルカリの成分を飛ばす)を使用しているものが多いです

 

それは、揮発させることで髪の毛の内部にアルカリを残留させにくくするため

 

 

比べて、ホームカラーの場合は密室で使用することが想定されているため、揮発しにくい(髪の毛に閉じ込める)タイプのアルカリを使用しているものが多いので、ダメージを起こしやすい

 

お客様
お客様

え、何でそんなことするの?

 

想像してみてください

 

洗面所や浴室などの密室で揮発性のアルカリの薬剤を使用したら、アンモニアの臭いが室内に充満して気分が悪くなりそうですよね?

 

また、アンモニアに弱い人は目が痛くなったり、呼吸困難など重篤な症状が現れるかもしれません

 

そのため、ホームカラーの多くはそのような作りになっているようです

 

 

原因その3前処理・中間処理・後処理など、発色やダメージに備えた処理が出来ない

 

アルカリが残留する=ダメージとなるので、しっかりしたサロンではカラー前に処理剤によって毛髪の防御力を一時的に上げたり、シャンプー前にしっかりと乳化(お湯とカラー剤を混ぜて少しずつ馴染ませる方法、徐々にphを移行させることでダメージを軽減し、色持ちや発色も良くなる)し、シャンプー後にはアルカリを中和するタイプの処理剤トリートメントなどで処理をしてくれます

 

asei
asei

僕も必ずやっています

 

ホームカラーではそれらが出来ない場合がほとんどだと思うので、アルカリが残留し自然に空気酸化されて、ある程度中和されていくのに約48〜72時間かかると言われています

 

簡単に言うとホームカラー後、約3日間はダメージが進行するということですね

 

お客様
お客様

怖い。。。

 

4. ホームカラーとサロンカラーのメリット・デメリット

 

ホームカラー

 

メリット

・薬代のみで済むので安い

・自分で染めるので時間や場所が自由

・自宅から出なくて済むので楽

 

デメリット

・薬剤の選定が難しい

・塗布の手順、放置時間など技術的に難しい

・髪の毛が著しく傷んでしまう場合がある

・後ろなど見えない部分が染めにくい(ムラになる)

・自分で塗るのがめんどくさい

 

サロンカラー

 

メリット

・プロに薬剤選定や塗布を任せられる

・ダメージを最小限に抑えられる

・希望の色に近付けてもらえる

・座っているだけで綺麗になる

 

デメリット

・ホームカラーより費用が多くかかる

・予約がいっぱい又は深夜など、対応してもらえない時間がある

・サロンまで行かなければならない(訪問美容除く)

 

5. まとめ

 

様々な事情によりご自宅でカラーをする方も多いので、ホームカラーの事を完全に否定するわけではありませんが、用法用量をしっかりと確認して適切に使用しなければ、一度傷んでしまった髪の毛は切り落とすまで二度と再生はしないので注意が必要です

 

サロンで染めてもらうのは自分で染めるより費用がかかってしまいますが、僕たち美容師は長年培った専門の知識と技術を総動員して施術させていただいていますので安心してお任せいただけたらと思います

 

それでは^^

 

 

 

 

 

 


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